「半農半X」という言葉も知らなかった自分のことを「半農半画家」と最初に呼んでくれたのは、札幌の出版社・寿郎社の土肥寿郎さん。何年前になるだろう、10年以上、15年くらい経つと思います。説明をするとすれば、本業は絵描き(画家)、半農の方は、厳密に言うと「農家」ではありません。2001年に「ふらの農協農作業ヘルパー」として東京からやってきて、2年ほど農作業ヘルパーを経験し、その時にご縁ができた農家さん(富良野市内のスイカ農家)に今も働きに行っています。そして、自分の家の敷地を一般よりもやや広い菜園にし、アスパラなどを育てて小規模ながら出荷をしています。富良野では公設市場があって、登録すれば一般人でも収穫した野菜を出荷することができます。朝の競りにかかって、競り落とされれば収入になります。他、知り合いのお店で使ってもらったり、本業の助けにしています。ただ、農家でないので農地を購入することは出来ません。今は「半農半X」というライフスタイルが注目されていますが、自分の場合は「そうなろう」と思って半農半画家になったというよりは、絵描きとしてやっていく道を模索する中で、結果的に半農半Xの暮らしになったというわけです。とは言え、画業はいつもやりがいがあって、また農作業は充実があってとても快く、どちらもやれることは幸せなことだと思っています。